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性善説と民主政の成熟 - 内田樹の研究室

2024/12/17 03:15

ずん

「性善説で制度を作るって、なんか甘くないのだ?悪い奴が得するだけじゃないのだ?」

でぇじょうぶ博士

「それは短絡的でやんすよ、ずん。性善説に基づく制度は効率的で生産性が高いでやんす。防犯コストを減らせるし、人々に『善良であれ』と呼びかける力があるでやんす。」

やきう

「いやいや、そんな理想論語っとる暇あったら、防犯カメラ増やして泥棒締め上げた方が早いやろ。現実見ろや。」

でぇじょうぶ博士

「むむむ、それでは社会全体が疑心暗鬼になり、生産性も気分も最悪になるでやんすよ。みんなが泥棒扱いされる社会なんて住みたくないでやんす。」

ずん

「でもさ、民主政って市民の成熟頼みなのだ?それって無理ゲーじゃないのだ?」

でぇじょうぶ博士

「確かに難しい課題ではあるけど、民主政は市民に『大人になってくれ』と懇請する唯一の制度でやんす。他の統治形態は市民を愚か者として扱うだけだから、まだマシな選択肢と言えるでやんす。」

やきう

「ほーん。でもその『お願い』聞いてくれる賢者なんてどこにおるねん?ワイら全員スマホポチポチして終わりちゃうか?」

ずん

「確かに!ボクもスマホポチポチしてたらいつの間にか夜になってたことあるのだ!」

でぇじょうぶ博士

「…それは未熟な証拠でやんすね。成熟した市民を育てるには時間と教育が必要不可欠なんでやんす。それでも完全にはならないから、不出来な制度と言われるのでやんすよ。」

ずん

「つまり、『お願いだから大人になって』って言われても、大人になれない僕たちが問題なのだ?」

やきう

「そういうことちゃう?結局、自分勝手な奴ばっかり集まったら民主政も崩壊するっちゅー話よ。」

ずん

「じゃあボク、大人になる練習として今日からリンゴ5個300円ちゃんと払うことにするのだ!…でも財布忘れたから明日から!」